カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2009/04/25

「磁力と重力の発見」 という本について語る

現在、某新聞の夕刊連載で、医学・物理学・スポーツ・芸術などなど、さまざまな分野の人物を取り上げる特集が組まれています。

2週間ほど前になるけど(2009/04/10)、山本義隆氏が取り上げられました。
このヒト、知る人ぞ知る有名人で波乱万丈の人生、現職が予備校講師(まだやってるんだ・・・)。
参考:Wikipedia「山本義隆」

で、著書に「磁力と重力の発見」 という本があります。

普段本なんか読まないMt.Eastも、予備校時代にこのヒトの授業を受けていたこともあり、半分お付き合いで買ってみました。

遠隔作用を認めない古代ギリシャのアリストテレス哲学からローマ・マケドニアを経て、キリスト教的宗教イデオロギーの支配下にあった中世ヨーロッパの磁力に関する知的パラダイムがどのようにシフトして、古典物理学の根幹を成す万有引力という概念を最終的に人類が獲得するようになったのかを紹介する大河科学史になってます。

2003年度パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞、新聞の書評でも絶賛だった(と思う)。理系の知識が無くても楽しめるとか・・・でもやはりある程度はないとね。
文章自体にはなかなか難解な熟語が躍っていたりで、ある程度の日本語と人文科学史に関する素養も必要かと。

小難しい書評などはネット上にいくらでも出てくると思うのでそれは任せておいて、磁力の認識にまつわる人類の歴史についてMt.Eastが感じたところを語っておきたい。

磁石に山羊の血をかけると砕けるとか、ニンニクを擦り付けると磁力がなくなるとか、実験すりゃすぐに間違いと分かるような迷信が千年以上も信じ続けられてきたというのがすごい。
天然磁石が希少だったかもしれないけど、そもそも科学なんて学問カテゴリがないから、実験による仮説の実証という概念もないし、何より自然科学の探求そのものがキリスト教徒としての倫理に反するとして科学が迫害されてきた背景があるようです。

書物(聖書)に書いてあることを無批判に受け入れるという、現代人から見れば最も忌み嫌われる生き方が美徳とされていた暗黒の時代。

普通のヒトはこの本を読んで、歴史上の人物の探求姿勢だとか、真実に一歩近づく閃きに感動するのだろうけど、理系人間のMt.Eastは普段からキリスト教なんてのは規模の大きな集団詐欺だと思っているので、そういう認識をさらに確固たるものにしてしまいました。ここから先は過激な宗教批判になるかと思うので自粛・・・

で、まあ1巻はキリスト教に思想支配されていた時代までを描いているのでこんなモンです。面白くなりそうなルネッサンス期は2巻以降に描かれているようです。機会があれば読みますよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)